Pocket

めまい・頭痛・腰痛・歩くのがツラい・自律神経の乱れ・疲れが抜けない…。
こうしたつらい症状をお持ちの方の中には、ご家族や周りの人に理解されないというお話を本当によく聞きます。

「気のせいでしょ」
「休めば治るよ」
「病院で異常ないなら大丈夫」

そんな言葉を言われても、当人には全く救いにならないことがありますよね。

医療機関で説明しても、自分のつらさが伝わらない…。
その“分かってもらえないつらさ”は、とても大きなストレスだと感じています。

お一人で抱え込んでしまっている方に、少しでも届けばと思い、私自身の体験談『酸っぱいミカンの話』を書かせていただきます。

無人販売のミカン

酸っぱいミカンの話

磐田から掛川へ向かう途中、エコパスタジアムの近くに「無人販売のみかん」があります。
私は毎年そこでみかんを買うのですが、この出来事は、その“1回目に買ったみかん”のお話です。

ある朝、残り3つだったみかんを子どもたちに1つずつむいてあげました。
みかんが大好きなので喜んで食べていたのですが、

「すっぱ!」「すっぱい!」

と叫びながら食べているんです。

どれくらい酸っぱいのかな?と私も最後の1つを食べてみると…

全然酸っぱくありません。

「酸っぱくないのもあるなら、また買ってくればいいか」
そんな軽い気持ちで、帰りに3袋ほど買って帰りました。

そして家に帰ると…

妻がみかんをむいて食べ始めるなり、

「すっぱっ!!」

と言いました。

「また酸っぱいんだね〜」と話していると、妻がひと房を私の口へ。

…あれ?全然酸っぱくない。

妻は「酸っぱいよ!」と言いながら、次々に私の口へみかんを放り込んできますが、

私が食べるみかんは、どれも酸っぱくない。

そこでようやく気づきました。

――そうだ、私は酸味が分からなかったんだ。

そういえば私は、4年前の交通事故で脳挫傷になり、嗅覚神経を損傷しました。
その影響で、味覚(特に酸味)をほとんど感じられなくなっていたのでした。

USJでレモンスカッシュを飲んだ時も、

「全然酸っぱくないレモンスカッシュだね!」

と言って妻に飲ませたら、妻は顔をしかめて悶絶(笑)
子どもたちも「酸っぱすぎる!」と悶絶(笑)

でも、私には本当に酸っぱくなかったんです。

味がしないということ

嗅覚の神経を損傷した後、しばらくは「味がしないこと」が本当にツラく感じていました。
ですが、人間は慣れるものですね。4年も経つと、

・美味しくもない
・不味くもない

“味がない世界”が当たり前になっていました。

子どもたちからは

「不味いのはパパにあげれば全部食べられるね(笑)」

とからかわれたり、

「パパは味が分からなくてかわいそう〜」

と言われたり。

最初こそ落ち込みましたが、今は笑って過ごせています。

来院者さんからも、

「味がしないと落ち込んでしまう人もいるのに、門奈さんは明るい嗅覚障害ですね。」

と言われたりします。

「分かってもらえないつらさ」を知っています

冒頭で、「お一人で悩むのはツラいですよね」と書かせていただきました。

これは、綺麗ごとではなく、私自身の実体験からの気持ちです。

・味がしないつらさも、
・交通事故後のめまい、頭痛も、
・椎間板ヘルニアの激痛も、

誰にも伝わりませんでした。

医師にも、家族にも、友人にも、わかってもらえないことばかりでした。

だからこそ、

「つらさが分かってもらえない」

という苦しさを知っています。

一人で抱え込まないでください

もしあなたが、

・どこに相談しても分かってもらえない
・検査で異常なしと言われてもつらい
・原因不明の症状に悩んでいる

そんな状況でしたら、どうぞ一度ご相談ください。

あなたのつらさに寄り添い、少しでも力になることができれば嬉しいです。